患者様より多く頂いているご質問を一部ご紹介いたします。
- 漢方薬は、食間または食前に飲むように言われましたが、食後に飲んではいけないのでしょうか。
漢方薬を食間や食前に飲むということは、胃の中が空の時に飲んだ方が良いということです。これは、漢方薬の原料である生薬が、一般的に言って吸収率の低いものが多いからです。 食事の後、食べ物が胃の中にたくさん残っている状態の時に飲むと、ますます吸収が悪くなってしまいます。また、白湯に溶かすなど、漢方薬は暖めて飲む方が吸収が良くなります。ただし、吐き気がしたり、鼻血などの出血がある時は、冷たくして飲むようにします。
- コンタクトレンズをはずして点眼した場合、どのくらい時間をあけてから再び付けても良いのですか?
コンタクトレンズの種類を問わず、点眼薬の成分が吸収される時間を考慮して、5分~10分以上あけた方が良いと思われます。
- コンタクトレンズを付けたまま点眼薬を使用しても良いのですか?
点眼することによりコンタクトレンズがずれたり、混濁したり、変色したり、点眼薬中の薬剤がコンタクトレンズに吸着したりする可能性がありますので、基本的にはコンタクトレンズをはずして点眼するようにして下さい。
点眼薬によってコンタクトレンズを付けたまま点眼して良いものもあります。病院から処方されている場合は眼科医に、一般の薬局・薬店で一般用医薬品を購入されている場合は薬剤師に確認してから使用して下さい。<コンタクトレンズの種類>
コンタクトレンズには大きく分けてハードタイプのものとソフトタイプのものがあります。ハードタイプのものには酵素非透過性コンタクトレンズ(いわゆるハードコンタクトレンズ)と酵素透過性コンタクトレンズにわけられます。<コンタクトレンズ装着時の点眼薬使用>
- 酵素非透過性コンタクトレンズ一使用可能
- 酵素透過性コンタクトレンズ 一はずして使用
- ソフトコンタクトレンズ 一はずして使用
但し、上記の使用の仕方は一応目安です。
- 目薬の使用期限はどのくらいですか。
市販の目薬や、病院で渡される目薬でも特に保存の説明が無い場合は、通常、開封後およそ1ヶ月位です。 一度開けて使い出すと、
- 空気に触れることで目薬が酸化される
- 目薬の水分が蒸発して濃度が高くなり、長時間のうちに成分が変質する
- 空気中の雑菌が目薬の中に少しずつ入り、中の薬が汚染されていく
などのことが起こります。薬の箱や容器 に書いてある使用期限は、開封していない状態のことです。また、目薬をさす時は、近づけ過ぎて容器の先がまつ毛やまぶたに触れないようにします。目薬の容 器はスポイトのようになっているので、容器の形が元に戻る時、目ヤニや雑菌を吸い込んでしまうことになるからです。 目薬の貸し借りもしないようにして下さい。
- 湿布薬の温湿布と冷湿布の使い分けが、よくわかりません。症状や部位による使い分けを教えて下さい。
湿布の役割は、冷やすことにより血管を収縮させ、血行を緩徐とし、赤みや腫れ、熱を持った炎症部位を抑え、痛みをやわらげるものと、逆に温めることにより血管を拡張して、血行をよくし、炎症および痛みをやわらげる2通りに分かれます。 主 な病気と症状で分けますと、捻挫や打撲のような急性の場合は、冷すのが原則です。ただし、打撲の場合、外傷がある時は手当ての後、周囲を2、3日冷してか ら温湿布に替える方が良いでしょう。 腰痛、肩こり、神経痛、関節リウマチ、腹痛などのような慢性のものは、温湿布にします。これらの症状は、入浴なども 効果的です。ただし、虫垂炎の疑いのある腹痛の場合、温めるのは厳禁です。 その他、骨折はどちらも厳禁です。ただちに、医師の診察を受けることが大切です。
- 薬の相互作用について
同じような作用の薬を数種類飲めば強力な作用が出ますし、逆の作用の薬を飲めば効果は現れにくくなります。また、一つ一つでは出ない作用(副作用)でも、一度に数種類の薬を飲むことによって出る作用(副作用)があります。このような作用を相互作用といいます。
恐ろしいのは、2種類の薬を飲めばその効果が1+1=2だと思っているのに3にも4にもなることがあり、薬の効果以外に作用が現れる危険性が高まることで す。また、せっかく薬をいろいろ飲んでいるのに薬同士が効果を打ち消して効果が出ないというのも困ります。例えば、ある種の抗アレルギー剤と抗真菌剤、睡眠導入剤を一緒に飲むと、普段は現れない副作用が現れたり、ある種の抗生物質と鎮静剤を一緒に飲むとけいれんを起こす可能性があるので慎重に飲まなければいけないという事例があります。
このように薬を何種類も飲む時は、副作用を防止するためにも他の病院、診療科でもらっている薬を診察の際に医師に見せることが非常に大事なこととなります。
「血圧の薬、胃腸薬を飲んでいます。」と言うだけではなく、薬の実物か、薬品名を書いたメモ、お薬手帳を持参して相談して下さい。
- 薬の上手な保管方法について教えて下さい。
薬は光や温度、湿度に大変影響を受けます。保存状態が悪いと変化を受けやすく、効果の上にも悪影響を与えます。特に、梅雨時や夏場など高温多湿時の薬の保管には十分な注意が必要です。薬の効果を十分に発揮させ、かつ安全に服用するためには、薬に適した保管をすることが大切です。 次に示す主な薬の保存上における注意事項を守りましょう。
[1] 散剤、錠剤、カプセル
特別の指示のない場合、原則として低湿度で高温にならないような場所、例えば缶の中や引き出しの中など涼しいところに保管して下さい。[2] 水ぐすり
冷蔵庫に保管して下さい。水薬のカップ、水薬のビンの口などは細菌汚染を受けやすいので清潔に保ちましょう。また水薬は水などで薄めていますので、長期保存すると腐敗する恐れがあります。処方日数が過ぎ、1週間以上たった薬は服用しないようにして下さい。ただし、原液(水などで希釈していないもの)の薬は処方された日数まで保存可能です。不安を抱いた場合は薬を出してもらったところに確認してから服用しましょう。[3] 外用薬
内服薬と同じ場所でかまいません。しかし、坐薬は薬自体が体温で溶けるように作ってありますので冷蔵庫に入れるか、なるべく涼しい場所に保管して下さい。また、使用中の点眼薬は細菌に汚染されやすいので、開封後はきちんとふたを閉め、2週間をめどにお使い下さい。 最近の外用薬は有効期限が記載されているものが多くなってきていますのでそちらも参考にするとよいでしょう。- 複数の病院から薬をもらっています。全部飲んでも大丈夫でしょうか。
同じような薬を別々の病院からそれぞれもらっていることがあります。その場合、全部飲むと、同じような薬を通常よりも多い量を飲んでしまうことになります。
また、薬と薬のとの間には、薬の効果を互いに弱めたり、逆に強めたりすることもあります。ですから、2番目以降にかかる病院の医師や薬剤師に今自分が飲んでいる薬、使っている薬を伝えることが必要です。市販の薬についても伝えるようにして下さい。- 回復して、しばらくしてからまた同じ症状が出てきた場合、前にもらって残っていた薬を服用してもよいのでしょうか。
同じ症状が出たからといって、同じ病気と単純に判断してはいけません。症状が似てると思っても同じ病気か、別の病気かの判断は医師にまかせるべきです。同じような症状であったとしても、薬の効果や薬に対する反応は、その時の身体の状態によって相違があります。
医師の診断によって投薬される薬は、その人、その時の病状に適合するよう選ばれ配合されたものです。使い残しの薬を自己判断で服用することは避けなければなりません。- 症状が良くなったので、服用を中断してもよいのでしょうか。
熱 が下がったから、痛みがとれたから、腫れが引いたからといって、その病気が完全に治ったとは限りません。病状が一時的に良くなったように見えても、服用を 中断すればまた元に戻り前よりも悪い状態に進む恐れもあります。完全に治ったかどうかは、医師の診断によるべきです。たとえば、高血圧治療剤では、一時中 断すると、その後、血圧が異常に高くなり、前よりも病気が進行することが多く、気をつけなければなりません。
- 大きくて飲みづらい錠剤をつぶして服用してもよいでしょうか?
錠剤の中には、外側からは同じように見えても持続性をもたせるために、中にはいくつかの層に分かれていたり、小さな粒がつまっていたり、特殊な加工をしているものもあります。
その場合、つぶしてしまうと一度に効いてしまい、持続性は無くなり効き方も強くなります。つぶしても良いか否かは、医師や薬剤師などの専門家にお尋ね下さい。- 飲み忘れた時はどうすればよいでしょうか。
飲み忘れた場合、それを思い出したのが、次回の飲む時刻以前であれば思い出した時にお飲み下さい。それが次回の飲む予定時刻に近ければ、次回の飲む分を最低 4~5時間後になるように後へずらすとよいでしょう。また、思い出したのがすでに次回の飲む時間になってしまっていたら前回分はもう飲まないで下さい。前回分と合わせて”2回分飲む”ということは決してしないで下さい。
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